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不動産売却は「仲介」と「買取」どっち?違いを知って最適な方法を選びましょう

不動産売却をする際、代表的な方法が2つあります。
それは、「仲介」「買取」です。

それぞれでは買い手が異なるだけでなく、売却する際の価格相場や、売却成立するまでの期間など様々な違いがあります。ご自身が不動産を売却する際にはこれらを事前に把握し、最適は手段を選ぶ必要があるのです。

本記事では、「仲介」と「買取」がどのように違うのか、それぞれのメリットやデメリットを挙げて適しているケースまで解説します。

目次

不動産仲介とは?

不動産仲介では文字通り、仲介業者が入ります。
一般的には、売主が売却相談をした不動産会社の中から仲介を依頼する会社を選びます。
不動産仲介会社を決めると、その後の販売活動や申し込みの受付、契約条件の調整から締結・引き渡しまでの業務をその会社が担う事となります。

不動産仲介をする会社は、購入を検討しているお客様の情報やネットワークを持ち合わせているだけでなく、来店されたお客様にも仲介依頼された物件を紹介するなどして売却を実現し、その結果、報酬である仲介手数料を受け取る形となります。

不動産「仲介」のメリット

ここでは、一般的に言われている不動産仲介のメリットを大きく4つに分けて解説します。

幅広い販売活動を行ってもらえる

仲介の場合、当然ですが不動産会社は一般市場から購入者を見つけ出して売却を成立させなければ仲介手数料が入りません。そのため、様々な広告媒体への掲載や販売活動を行うことで、幅広く購入希望者にリーチすることが可能となります。

仲介会社も自身の利益の為ではありますが、積極的に買主探しを行ってくれる点は大きなメリットと言えるでしょう。

「買取」よりも高値での売却が期待できる

上述したように、仲介では広く購入希望者を探す為、不動産市場における相場価格に近い金額で売却が期待できます。

より多くの購入希望者が現れると、条件交渉も重ねてより高値で購入される可能性が高まるでしょう。

煩雑な手間が省ける

広告出稿や販売活動を通して、より好条件の買主を探し出してくれるのはもちろんですが、内覧や買主サイドとの条件交渉、契約手続きから引き渡しまで大部分の現場実務を担ってもらえます。

これらを売主自身で全て行うと考えると、相当な手間となるでしょう。

トラブルへの対処

高額な取引となる不動産売却の現場では、契約書の内容な諸条件のすり合わせに際して多少のもめごとやトラブルが起きることも少なくありません。

そのような場合にも、不動産取引の場数を踏んできたプロである仲介会社が入っていれば対処してもらえるなど、万が一を考慮して安心した取引をしたい方には心強いでしょう。

不動産「仲介」のデメリット

上述したメリットと対比して、考えられるデメリットも以下で把握しておきましょう。

仲介手数料がかかる

皆様が想定する最大のデメリットはやはり「仲介手数料」でしょう。
不動産会社が受け取る仲介手数料には、宅地建物取引業法により定められた上限額があります。

取引物件価格が税抜きで400万円を超える場合…
仲介手数料={取引物件価格(税抜)×3%+6万円}+消費税

※3000万円(税抜)で売却をした場合
仲介手数料={3000万円(税抜)×3%+6万円}+消費税(10%)=105万6000円(税込)

上記の手数料が大きな負担となりますが、
他方で不動産仲介会社が様々な手間を省いてくれる訳でもあるので、
仲介を依頼するか否かは慎重に検討すべきでしょう。

短期間での売却が難しい

1から買主探しをするだけでなく、買主のローン審査や内覧、契約手続きなどを経る必要があるため、短期間で売却契約を締結するのは難しいです。

平均的に、物件の売り出しから引き渡しまで6ヵ月程度かかる、と言われています。

周囲に売却していることを知られてしまう

ネットやチラシも含め、広告媒体にも載せて広く販売活動をするため、どうしても周囲の人にも売ろうとしていることを知られてしまいます。

家庭内の問題や隣人トラブル、支払いが難しくなったなど、家を売る理由も様々です。
そうしたことを知られずに仲介を依頼するのは難しい点には留意しましょう。

契約不適合責任を負うことになる

契約不適合責任とは、契約対象の商品の品質に不備や欠陥があった際に、買主の主張を認めるというものです。仲介ではこれが免責されないことが多く、不動産に品質に何か問題があると認められれば、結果的に売主が責任を負わざるを得ない状況となります。

不動産買取とは?

不動産買取とは、売主の物件を不動産会社が直接買い取る売却方法のことです。
不動産仲介が買主を一般の市場から見つけ出すのに対し、不動産買取では買主は不動産会社です。
不動産会社は、買い取った物件にリフォームを施すなどして付加価値を付け、再販売を目的としている場合が多いです。

他には、買い取った物件の建物を解体し、そこにマンションやアパートを建設することを目的とする場合もあります。

不動産「買取」のメリット

これまで解説してきた「仲介」と異なる「買取」のメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

ここでは代表的な5つのメリットを挙げて解説します。

短期間での売却が可能

「仲介」が一般の個人から条件や希望価格が合致する購入者を探すのに対し、不動産買取は不動産会社が買主です。買取価格さえ合意が取れればすぐにでも売却の契約を交わし決済まで行われます。

不動産買取の場合、平均的には売り出しから決済完了まで1カ月程度かかる、と言われています。

修繕や掃除などの手間が省ける

不動産会社が物件を買い取った場合、一般的にはリフォームや修繕を施して付加価値を付け、再販売を行います。もしくは、建物を解体してアパートやマンションを建てるなどの土地活用も行われます。

そのため、内覧の為や買い手がすぐに居住できるように通常行う掃除や修繕を施す必要がありません。

仲介手数料がかからない

不動産業者が直接買い取る場合、当然仲介がないので仲介手数料はかかりません。
しかし、「仲介手数料が省けるから不動産会社に直接買い取ってもらおう」と考える場合、注意点があります。

それは、売主(素人)買主(不動産会社のためプロ)という構図になるということです。
この場合、売主が不動産取引に詳しくない点に付け込んで、買取条件を売主に不利なものにしたり、不当に安い価格で契約を持ち掛けられることもあり得るのです。

そのため、買取であっても第三者の不動産仲介会社を挟むことを推奨します。

契約不適合責任を免責できる

仲介で一般個人が買主になる場合と異なり、不動産買取の場合は契約不適合責任が免責されます。
理由は、買主が宅建業者だからです。

不動産買取の場合は、不動産取引のプロである不動産会社(宅建業者)が買主となるので、法律上瑕疵担保責任(契約不適合責任)が適用されません。

給排水管などに新たな瑕疵が見つかった場合も、その修理等が売主負担ではなくなるという事です。
仲介と明確に異なる点ですので、契約書の免責条項欄を確認しておきましょう。

不動産「買取」のデメリット

不動産買取にはメリットも多くありますが、明確なデメリットも存在します。
下記の2つは把握しておきましょう。

売却価格が下げられる

「仲介」が相場価格付近で成約しやすいのに対し、「買取」の場合は仲介成約価格の6~8割程度に下がる傾向にあります。

これは、不動産会社が買い取り後のリフォームや修繕費用を負担する事や、万が一再販売しても受けるとは限らないので、そのリスクを負うためです。

「買取」をしている不動産会社が少ない

そもそも全国的にも不動産買取を行っている会社は多くはありません。
なぜなら、一般個人と違ってローンを組まずに数千万円の買い取る為、ある程度の資金力が必要となります。

不動産買取を検討される方は、しっかりと会社をリサーチする所から始めてみましょう。

結局、「仲介」と「買取」のどっちを選ぶべき?

「不動産仲介」と「不動産買取」の違いや注意点はご理解頂けたでしょうか。
この2つの方法には優劣があるわけではなく、売主がどのように売却を実現したいか、によって選択するべきなのです。

とにかく早く売りたい
なるべく高値で売りたい
周囲には知られたくない

ご自身の状況や求める条件と照らして、
理想の不動産売却を叶えましょう。

記事を監修した人


生津 博道(イキツ ヒロミチ)

福岡県福岡市を中心に、不動産売買事業を行っております。
エリアに精通していることはもちろん、
豊富な知識でお客様にしっかりとご納得いただけるよう努めて参ります。


・宅地建物取引士
・相続診断士

宅建免許番号 福岡県知事(1)第20483号
所属団体 社団法人全国宅地建物取引業保証協会


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