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家が1年以上売れない原因は?注意点と早期売却のための対策をご紹介

「せっかく売りに出したけど、そろそろ値下げしないとダメかな。」
「1年以上も売れずに残っているけど、このまま一生手放せないの?」

家を売りに出した時には、早く売れてほしいものですよね。
一般的には売り出しから売却成立までは6カ月間程度といわれています。

そんな中、1年以上売れずにいるとこの先もずっと売れないのでは、と不安に思う方も多いでしょう。

本記事では、家が長い期間売れない主な原因を明らかにすると同時に、
どのようにしたら少しでも早く売ることができるのか
値下げはいつ、どのようにすべきなのか

など売却活動をされている皆様が気になる点について解説します。
特に1年以上売れていない不動産をお持ちの方には必見の内容です。

目次

家が1年以上売れない主な理由

一口に家が売れないと言っても、その背景には様々な原因が存在します。
ここでは、1年以上もの長い間物件が売却できない際に考えられる代表的な原因をご紹介します。

対処や値下げを考える前に、まずはしっかりとご自身の物件に以下の原因が該当しないか確認してみましょう。

立地条件が悪い

「不動産は立地がすべて」と言われるほど重要な項目です。
建物が築古であったり劣化しているだけであれば、場合によってはリフォームやリノベーションを施すことで解決しますが、立地はそういう訳にはいきません。

ご自身の物件が所在する立地では、どのような層がターゲットになるのか把握していますでしょうか。

例えば公共交通機関へのアクセスが悪く、学校や医療機関がないエリアではファミリー層はターゲットになりにくいでしょう。
そのような中4LDKの戸建てを売り出しても反響が得られないことは考えられます。

逆に、繁華街や商業施設には近くても治安が悪くファミリー層が好まないということも考えられます。

ここでは例としてファミリー層を挙げましたが、立地によってターゲットの需要が固定されてしまうことも理解しておきましょう。

物件状態が悪化している

上述した立地よりは改善可能な項目ですが、やはり物件状態が悪化していれば購入者の心象を損ないます。

例えば、屋根や外壁の塗装が剥がれていたり、建具の立て付けが悪くなっていたり、シロアリ被害を受けている場合なども考えられます。

そもそも建物が築20年を超えると経年劣化を考慮されて価値はほとんどゼロになってしまいます。
中古物件の場合だと年数が経つほどリフォームや修繕で費用が掛かる心配からも売れ辛くなってしまいます。

購入者もなるべくリフォーム費用などの支出は控えたい方が多いので、
多少費用は掛かっても、売り出す前に最低限の修繕などは施しておいた方が結果的に売却成立には近づくかもしれません。

売り出し価格が高すぎる

物件購入者の多くがまず気にするのは価格です。
各購入者はあらかじめ決めた予算の中でほかの条件と折り合いをつけながら探しますが、
やはり相場よりも売り出し価格が高くなってしまうと売れ残ってしまう原因になります。

地域ごと、物件種別ごと等切り口は様々ですがご自身の物件の相場を把握し、
価格の調整をする必要があります。

物件相場は以下のサイトでも確認できるので、
まずは「売れる価格」を知っておきましょう。
不動産情報ライブラリ(国土交通省)

購入者にとってはとても大きな買い物です。
同エリアの相場や売り出し物件の情報については売主よりも詳細に把握していることもあります。彼らの信頼を損なわないように適正価格で売り出すように心掛けましょう。

道路付けや土地周辺環境

駅からも近く物件状態が悪くない場合でも、道路付けや周辺環境の条件が沿わないことで売れ残ってしまうこともあります。

一般的には土地の形がいびつな不整形地や狭小地、旗竿地などは売り辛い物件とされています。
都心部はともかく、郊外などでは車を利用する家庭も多い中、乗り入れが難しかったりすると購入に至らないケースもあります。

また、所在している区域や周辺建物との距離などから新築や増築する場合も制限を受けることがあるので、利用が難しい土地は総じて不人気になります。

内覧時の印象

不動産の売却を成立させるうえで、内覧は非常に大切なステップとなります。
駅距離も近く、日当たりや周辺環境が充実している物件は内覧希望者が集まるかもしれません。このように内覧者が多いにもかかわらず、1年以上売れ残ってしまっている物件は内覧時の印象が悪い可能性があります。

大幅なリフォームや建て直さない限り、購入者は「自分がこの家に住めるのか」と考えます。
売主は、内覧者が売り物件での生活イメージをより鮮明に持てるよう努めるべきです。

例えばたばこやペットの汚臭がしたり、汚れが目に付く室内はいかがでしょうか。
洗濯物が干されたままになっていたり、衣服や荷物が室内に溢れかえっていたらどのように思われるでしょうか。
他にも水回りで水垢が目立つような状況だと、いくら内覧時でその後クリーニングが入るとしてもポジティブな印象は与えないでしょう。

内覧者はご自身にとってはお客様になるかもしれません。
しっかりと準備して気持ちよく迎え入れることができる状態にしておきましょう。

不動産業者の販売力の問題

不動産業者にも得手不得手があることは念頭に入れておきましょう。
物件状態や価格、立地が相場の売り出し物件と比べて劣っていないのに1年以上売れ残っている場合は売却を任せている不動産業者を見直すことを検討した方が良いかもしれません。

戸建てではなくマンション販売実績に偏っている会社に戸建ての売却を依頼していませんか。その会社がどのような不動産ポータルサイトに掲載しているかも把握していますでしょうか。

不動産会社と細かくコミュニケーションをとることを怠らず、反響数や進捗確認などは行いましょう。

家が売れない場合に試すべきこと

1年以上家が売れない主な原因が分かったとしても、さらに重要なのは対処法を知ることです。
ここでは、家が売れない場合少しでも早く売れるように試すべき価値のあることをご紹介します。

ホームインスペクションを実施する

ホームインスペクションは、通称「住宅診断」のことです。
住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から、専門家の見地から、欠陥の有無や住宅の劣化状況、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行う専門業務です。

インスペクションは、一般的な戸建て(30坪)であれば5万円程度ですが、物件にもよるので5~10万円程度の費用が掛かることは把握しておきましょう。

ホームインスペクションを行う事で、専門家のお墨付きをもらった物件として他の物件と差別化でき、購入希望者の信頼を獲得できるというメリットもあるので、未実施の方は検討してみましょう。

ハウスクリーニングを入れる

内覧時の印象UPに直結するのがハウスクリーニングです。
特に長年住んできた物件の場合、素人が掃除した程度では取れない汚れも付着しています。

特にキッチンやお風呂場などの水周りだけでも売り出し前にクリーニングを依頼した方が良いでしょう。

瑕疵担保保険を付ける

中古物件を購入する際、最も気になるのはその劣化状況ではないでしょうか。
雨漏りなどはもちろん、内覧時に表立っては見えない床下のシロアリ被害などが後から発覚した場合はどうなるのか、など劣化に関しては心配が絶えません。

そこで購入者に安心して購入してもらうために有効なのが、瑕疵担保保険です。
中古物件の場合は、「既存住宅売買瑕疵保険」となります。

既存住宅売買瑕疵(かし)保険は、中古住宅の検査と保証がセットになった保険制度であり、
住宅専門の保険会社(住宅瑕疵担保責任保険法人)が保険を引き受けるものです。

既存住宅売買瑕疵保険について(国土交通省)

そもそもこの保険を付帯するには検査に合格しなければならないので、
この保険が付されている=検査に合格した安心できる住居であることを意味します。

また、売買された中古住宅に後日欠陥が見つかった場合でも、補修費用等の保険金が事業者(事業者が倒産等の場合は買主)に支払われます。

価格を見直す

先述した通り、購入者の意思決定に大きく影響を与えるのが価格です。
1年以上の長期間売れずにいる場合、価格は変更することを検討すべきかもしれません。

変更を推奨する時期としては、12月~3月です。
この期間は不動産売買が活発になるので、購入希望者に対して訴求力を持ちます。

繰り返し何度も価格変更をしていると不信感を抱かれる可能性もあるので、
しっかりと相場を把握して不動産会社にも相談しながら価格を決めるようにしましょう。

不動産会社を変更する

今現在依頼している不動産会社で、1年以上経っても売れていなければ他を当たることも検討すべきです。

長期間付き合いが生まれると乗り換え辛いというお話も聞きますが、
最も重要なのは大切にされてきたご自身の不動産が適正な価格で売却できることです。

最良なパートナーが他にいるかもしれないので、売却活動の傍らでも、近隣不動産業者の販売実績などは目を通しておきましょう。

値下げはいつ・どのように検討すべきか

1年以上も売れ残ってしまっている場合、真っ先に考えるのが「値下げ」ではないでしょうか。

周辺の売り出し価格相場はもちろんですが、成約事例なども目を通してうえで、築年数や駅距離、間取りなど複合的にみて割高であれば値下げは意味を持つかもしれません。
まずは相場や事例を把握しているプロである不動産業者に相談しましょう。

また、1度下げたのに「売れないからまた下げよう」と焦って値下げを繰り返してしまうと、売り急いでいると足元を見られやすく買いたたかれるリスクを伴うので十分に注意しましょう。

不動産買取も検討しよう

一般市場で売れ残っている場合、不動産買取を検討してもいいかもしれません。
特に早めに売却を実現したい方にとっては現実的に売却可能な手法となり得ます。

しかし、仲介よりも売却価格は低くなる傾向にあるため留意しましょう。

「不動産買取」に関して、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
不動産仲介と不動産買取の違いについて

おわりに

この記事では、主に家を売りに出して1年以上売れ残っている方に向けて、
その原因から効果的な対処法に焦点を当て解説しました。

これから売りに出す予定の方も、売れ残らないためには「原因」を抑えて、
万が一想定より長く売れ残ってしまった際には焦らず「対処法」を実行して頂ければと思います。

ご自身の大切な不動産を適正に売却するためにも、しっかりと知識をつけておきましょう。

記事を監修した人


生津 博道(イキツ ヒロミチ)

福岡県福岡市を中心に、不動産売買事業を行っております。
エリアに精通していることはもちろん、
豊富な知識でお客様にしっかりとご納得いただけるよう努めて参ります。


・宅地建物取引士
・相続診断士

宅建免許番号 福岡県知事(1)第20483号
所属団体 社団法人全国宅地建物取引業保証協会


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