家を売るのに最適な時期やタイミングはある?注意点や見極め方を解説します
「家を売ろう」と考えた時、
いくらで売れるだろうか
住み替え物件の購入代金にどの程度あてられるかな
など、つい売却価格ばかりに気を取られていないでしょうか?
実はその売却価格も「タイミング・売り時」に左右されているのはご存じでしょうか。
今すぐではなく、将来的な不動産売却をお考えの方も、この売り時とも言えるタイミングに関する知識を持ち合わせていなければ、大きな損失を招いてしまうかもしれません。
本記事では、6つの視点から家を売るべきタイミングを考察しつつ、注意点や見極め方まで解説します。
売り時を逃して後悔しないためにも、ぜひお役立てください。
目次
- ○ 家には売り時がある
- ○ 【6つの視点から】家を売るべきタイミングとは
- ・ライフスタイルによる事情
- ・市況と相場
- ・住宅ローン金利
- ・季節
- ・築年数
- ・税制
- ○ タイミングはどうやって見極める?
- ・不動産会社に相談する
- ・複数社の相見積もりで比較する
- ○ おわりに
家には売り時がある
「いつ売れば少しでも高く売れるだろうか」、「相場が上がっているらしいから3年後に売ろう」など、不動産の売却をお考えの方はタイミングに頭を悩ませた事もあるのではないでしょうか。
少しでも高値で売るためであるのはもちろんですが、
売る時期を間違えると、同じ物件でも実質的な譲渡所得が減損してしまうリスクも存在するのです。
幅広い視点から、「本当の売り時はいつなのか」を事前に把握して、売却準備を進める必要があるのです。
【6つの視点から】家を売るべきタイミングとは
売却価格が高まるだけでなく、そもそも買い手が見つかりやすい時期や、支払う税金が抑えられるタイミングなど様々な要素を考慮してタイミングを見計らわなければなりません。
ここでは、大きく6つの視点に分けて「家を売るべきタイミング」を解説していきます。
ご自身のご状況とも照らしながら読み進めて頂く事をおススメします。
ライフスタイルによる事情
売った時の利益には目を瞑ってでも、売却を検討せざるを得ないタイミングもあります。
住宅を住み替えた主な目的調査では、
「住宅を広くする」「部屋数を増やす」が最も高い割合を占めます。
あくまで、「高値で売れて利益が見込める」や「利便性の向上」ではないのです。
出典:住生活総合調査(国土交通省住宅局)
子供の成長や家族構成の変化によって、物理的にも住み替えなければならないライフスタイルの変化を迎えるものです。
近年では、リモートワークの普及などにより在宅で仕事部屋を確保するために住み替える方も増えています。
目先の売却益よりも、将来的な生活や家族との時間などが自身にとって優先される場合は、売るべきタイミングと考えても良いでしょう。
市況と相場
立地など不動産の個別要素によって売値が左右されるとはいえ、大前提となる全体的な市況感や相場を把握しておくことは重要です。
相場を掴むうえで最も一般的な指標である、「不動産価格指数」を参照しましょう。
<a href="https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001710111.pdf
">出典:不動産価格指数(国土交通省)
2010年を平均の起点とすると、住宅地(黄線)と戸建住宅(青線)が緩やかに上昇していますが、マンション(緑線)2023年に至るまで大きく上昇していることが分かります。
このような指標を用いて相場や市況感を知識として入れておきましょう。
住宅ローン金利
これは、購入者の視点を加味した重要な要素になります。
金利とは簡単に言えば利息です。
住宅ローン利用者からすれば、金利(利息)が高い時に借りるよりも、低い時の方がその分支払総額が抑えられることになります。
購入者からすれば「買い時」、つまり売り手からすれば「売り時」なのは言うまでもありません。
下記サイトなどを参照し、売却を考えたその時から金利動向を把握しておきましょう。
出典:民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)【フラット35】
季節
先述したライフスタイルの事情と相関がありますが、
一般的に売り物件の成約数は「3月」が最も多いのです。
年度替わりで新生活がスタートする前であるため買い手も多く、売るべきタイミングだと考えられます。
また、3月に次いで売り物件の成約数が多いのは「2月」です。
物件は売りに出してから平均6か月で売却に至ることを考えれば、
遅くとも夏頃からは売却を見据えて動いた方が良いと言えるでしょう。
築年数
建物の価値は当然日ごとに落ちていきます。
そのため、将来売る時よりも今時点が建物価格としては最も高いと言えるのです。
中古戸建てに関しては、築後20年を経過した時点で、建物価値はほとんどゼロになると言われています。
マンションも、築後15年を境に購入者需要が減り、価格が落ちる傾向にあります。
※1、2年の遅れで大幅な価格下落もあり得ます。
税制
家を売ってしまうと、売却代金が振り込まれます。
これは、「譲渡所得」となり課税対象です。
※以下、譲渡所得税は「所得税+住民税+復興特別所得税」と定義される。
厳密にいえば、
売買代金から、手数料(印紙税や登録免許税、仲介手数料など)を引いた額=「譲渡所得」
ですが、譲渡所得税率は家の所有期間によってによって異なります。
短期譲渡所得となり、譲渡所得税率は約39%
◆5年を超える◆
長期譲渡所得となり、譲渡所得税率は約20%
5年を超えるか否かで、同じ物件を売っても税率が倍ほど違ってくるので、
よっぽどの理由がない場合は、5年以下で売却するのは控えた方が良いでしょう。
また、売却する本人が現に居住している(マイホーム)の場合、下記の通り軽減税率が適用される点は押さえておきましょう。
タイミングはどうやって見極める?
家を売る際には、様々な要素に基づいて、適切なタイミングを見計らう事が重要であることはご理解いただけたでしょうか。
しかし、上述したような項目を自分一人で分析し、見積もることは非常に難しく、プロの力を借りる必要もあるのではないでしょうか。
不動産会社に相談する
やはり、タイミングを熟知している不動産会社に相談することをお勧めします。
相場や市況感はもちろん、資産価値の算定や、税制の優遇措置など考慮に入れるべきことが多いのが不動産売却です。
税制にしても、ある年に改正されると優遇措置の適用範囲が変化するなど、詳細に動向を把握しておかなければなりません。
重要な点を見落とし、後悔が残る売却を行う前に、多角的な視点からアドバイスをもらえるプロに相談してみるべきでしょう。
複数社の相見積もりで比較する
信頼のおける特定の不動産会社に相談するのも良いですが、
複数社に相見積もりを出すことも検討しましょう。
資産価値の算定や、売り時、買い手の情報など会社によって多少の違いは生じます。
セカンドオピニオンのつもりでいくつかの会社に相談してみるのも良いでしょう。
おわりに
本記事では、家を売るべきタイミングを大きく6つにわけて解説しました。
一つの要素だけでなく、これらを複合的に判断し、最も適したタイミングを選ぶのはプロでも易しくありません。
売却を検討されている方は、来るべき時に備えて余裕をもって下調べと準備を進めて、ご自身にとってのベストタイミングを見極めていきましょう。
生津 博道(イキツ ヒロミチ)
福岡県福岡市を中心に、不動産売買事業を行っております。
エリアに精通していることはもちろん、
豊富な知識でお客様にしっかりとご納得いただけるよう努めて参ります。
・宅地建物取引士
・相続診断士
宅建免許番号 福岡県知事(1)第20483号
所属団体 社団法人全国宅地建物取引業保証協会